日本写真測量学会 関西支部

テクニカルセミナー/第60回空間情報話題交換会の報告


<キーワード:準天頂衛星システム(QZSS:Quasi-Zenith SatelliteSystem), マルチGNSS(Multi GNSS:Multi Global Navigation Satellite Systems), モービルマッピングシステム(MMS:Mobile Mapping System)>


2011年8月26日、常翔学園大阪センターの301においてテクニカルセミナー/第60回空間情報話題交換会を開催しました。

今回は、「準天頂衛生「みちびき」によるアーバンキャニオンにおける測位率の改善」と題して、三菱電機(株)鎌倉製作所の瀧口純一様にご講演いただきました。

瀧口様には、準天頂衛星「みちびき」についての基本的な機能や有効性、今後の展望について分かり易く紹介していただきました。 準天頂衛星についての解説では、世界各国での測位技術の開発状況など、 初学の学部生にも理解できるよう、分かりやすくお話いただきました。

東京都内での精度実験の話では、GPS衛星のみで計測した場合と、準天頂衛星を加えて計測した場合とを比較した結果について報告していただきました。 高層ビルの多い新宿都庁周辺では、GPS衛星のみの計測の場合に28.5パーセントの測位率であったのが、70パーセントにまで測位率が向上したそうです。 また、高層ビルこそ少ないものの、細い街路が多い築地周辺での実験では、測位率は39.5パーセントから69.1パーセントに向上したそうです。 その他にも、植物が繁茂した山間部での実験など、これまでは、安定した測位が実現できなった場所においても準天頂衛星を用いることで安定した測位を実現できることが分かりました。

質疑応答では、会場から高度な技術的な質問も出るなど、白熱した議論となりました。 ご講演いただいた瀧口様に、この場をお借りして御礼申し上げます。

※測量系CPD協議会において認定された学習プログラムとして終了後に参加者へ受講書が配布されました。
※GIS上級技術者の認定を受ける際の貢献達成度ポイントとして申請できる参加証も配布されました。