日本写真測量学会 関西支部

テクニカルセミナー/第68回空間情報話題交換会の報告


2013年2月8日(金)、常翔学園・大阪センターにおいてテクニカルセミナー/第68回空間情報話題交換会を開催しました。

今回は、『自治体におけるGISの取り組み-豊中市のGIS-』と題して 豊中市情報政策室の喜多様、 豊中市都市基盤部道路管理課の笹様、 豊中市資産活用部土地活用課の池之上様の三名からからご講演を頂きました。


『自治体におけるGISの取り組み-豊中市のGIS-』

豊中市情報政策室 喜多 賢一 氏
豊中市都市基盤部道路管理課 笹 欽一 氏
豊中市資産活用部土地活用課 池之上秀紀 氏

講演資料:
http://www.jsprs-w.org/meetings/data/w0068_kita.pdf
http://www.jsprs-w.org/meetings/data/w0068_sasa.pdf
http://www.jsprs-w.org/meetings/data/w0068_ikenoue.pdf

キーワード:積極的なデータ整理,データ利用,情報管理

まず、豊中市情報政策室喜多様からは「豊中市のGIS」と題して、豊中市における全庁型GISの概要についてお話いただきました。 豊中市では、1997年に「基本図データベース」を構築し、その翌年に情報政策室に移管した後、1999年に庁内WEB-GISを構築して現在に至っているそうです。 このシステムは、庁内の誰もがアクセスすることができ、17部局で利用しているとのことです。ベースとなる地図情報レベル500の基本図は、毎年更新しており、 固定資産税課、道路管理課、情報政策室で作成しているデータは、情報政策室で一元管理し、各課システム担当に配布しているそうです。 こうした取り組みを通して、豊中市では特に窓口業務の負担が大幅に軽減できているとのことです。 また、ご講演では、市立図書館の地図、福祉部門の地図など、各部門の職員が自らの手で主題図を作っている例についてもご紹介いただきました。

続いて、都市基盤部道路管理課の笹様から、「基準点管理と道路台帳システム」と題して、道路管理課で使っている道路台帳システムについてお話を頂きました。 道路管理課では、道路法に基づき、路線認定業務のほか区域決定、路線廃止などの業務を行っています。 道路管理課における業務は、道路台帳システムを中心に行われており、基準点、境界点などの情報の管理も行っているそうです。 同システムは1991年に立案され、1996年の完成以降、現在まで運用され続けているそうです。 道路台帳システムは、他部局で作成された地図を重ね合わせることも可能で、管理者メニューでは、 基準点、境界点管理などができるそうです。一方、利用者メニューからは、基準点の照会が可能で、 座標、等級、ジオイド高などの情報を照会できるそうです。

最後に、豊中市資産活用部土地利用課の池之上様からは、「境界確定管理システムと地籍調査」と題して、 地積調査と境界確定管理システムについてお話を頂きました。 同課では、私有地と市有地の土地の境界を確定するための業務を行っており、土地の境界に関する問い合わせが土地所有者からあった場合、 あらゆる業務が境界確定管理システムを通して行われるそうです。このシステムは、立ち会い日程の決定、 と一覧および案内の作成といった地籍調査支援システムの機能、さらに立ち会った結果を取り込む機能などが含まれており、 また、調査成果についても、街区調査図などのデータを取り込み、境界確定管理システムと連携させることができるそうです。 結果として、このシステムを利用することで、申請があった際には、円滑に証明書を発行することも可能になったそうです。


※測量系CPD協議会において認定された学習プログラムとして終了後に参加者へ受講書が配布されました。
※GIS上級技術者の認定を受ける際の貢献達成度ポイントとして申請できる参加証も配布されました。