日本写真測量学会 関西支部

平成28年度支部総会・特別講演会 テクニカルセミナー/第85回空間情報話題交換会の報告


2016年6月24日(金)、常翔学園・大阪センターにおいて平成28年度支部総会・特別講演会 テクニカルセミナー/第85回空間情報話題交換会を開催しました。


「地理空間情報としての道路について考える」

筑波大学・堤 盛人 氏

 第34回特別講演会・第85回話題交換会では、国土地理院近畿地方測量部の梶川氏と筑波大学の堤氏に講演いただきました。

 堤氏の講演では、地理空間情報における道路について考えると題して、 @道路資本の市町村別ストック推計に関する研究、A道路における公共施設マネージメントに対するGIS活用した支援システムの開発、 およびB新規住宅開発地における無電柱化を紹介いただきました。

 @では、道路区間、幅員および共用年数といった道路の物量情報から推計する方法について説明いただきました。 この方法にしたがえば、従来の投資額積上げによる推計手法に比べ空間的に詳細かつ即時的なストック推計の可能性を秘めていることや、 従来手法では評価できない管理移管の道路も考慮できることなどを示してくださいました。 Aでは、道路台帳、定期点検および補修の情報を一元化することで、煩雑になりやすかった維持管理の履歴情報を簡便に管理できることを紹介いただきました。 Bでは、面的な無電柱化整備が進んでいない実態を現地調査から把握し、その要因として幹線道路事業と宅地開発の費用補助制度の違いが影響していることが説明されました。 @Aにおいては、既存の国土基本情報やデジタル道路地図といった基礎情報に、 点検・調査や工事検査などの結果として自治体が保管している道路台帳や関連資料の情報を加えて用いられていました。 その際、データ様式が異なるのはもちろんのこと、同じ路線でもデータ作成者によってデータの単位や図形情報の定義・管理の仕方が異なる実態を示され、 道路に関する地理空間情報の一元管理のありかたについて問いを投げかけたところで講演を締めくくられました。 続く懇親会では、参加者と交流されながら、この課題について議論を重ねられていました。。

 ご講演いただきました堤氏には,この場を借りてお礼申し上げます。


※測量系CPD協議会において認定された学習プログラムとして終了後に参加者へ受講書が配布されました。
※GIS上級技術者の認定を受ける際の貢献達成度ポイントとして申請できる参加証も配布されました。