日本写真測量学会 関西支部

テクニカルセミナー/第91回空間情報話題交換会の報告


2017年10月20日(金)、大阪府立大学 I-siteなんば においてテクニカルセミナー/第91回空間情報話題交換会を開催しました。


『宇宙から災害を見る,G空間情報で災害リスクを知る』

茨城大学 小荒井 衛 氏

講演資料:
http://www.jsprs-w.org/meetings/data/w0091_koarai.pdf

航空レーザ測量,SAR,時系列地理空間情報,地形分類図,斜面変動,液状化,活断層

 第91回テクニカルセミナーでは,『宇宙から災害を見る,G空間情報で災害リスクを知る』と題して,茨城大学の小荒井衛氏にご講演いただきました.

 「宇宙から災害を見る」では,高分解能光学衛星画像,合成開口レーダ(Synthetic Aperture Radar:SAR), 航空レーザ計測といった宇宙・上空からの計測技術を用いて,大地震に伴う建物被害や斜面崩壊, 火山噴火に伴う地形変化,洪水や津波による浸水,液状化に伴う地盤沈下,活断層付近の地盤変状といった災害状況を把握した沢山の研究事例を紹介いただきました. 現地調査の結果と比較しながら,計測技術から得られる災害状況の情報をわかりやすく説明するとともに, 現地調査を大切にしながら研究を取り組まれていることを語っていただきました.

 「G空間情報で災害リスクを知る」では,大地震による液状化や地滑りの災害リスクを評価した取り組みを紹介いただき, 過去の地形図や航空写真から,液状化被害が旧河道などの水部の埋立地で,地滑り被害が大規模な盛土造成地で多発していることを示していただきました. こうした災害リスクの評価には,土地の成り立ちを知ることが重要であるとの考えを示し, その評価に過去の地形図や航空写真といった時系列で整理されたG空間情報が有効であることを説明されました.

 ご講演いただきました小荒井様には、この場を借りてお礼申し上げます.


※測量系CPD協議会において認定された学習プログラムとして終了後に参加者へ受講書が配布されました。
※GIS上級技術者の認定を受ける際の貢献達成度ポイントとして申請できる参加証も配布されました。