日本写真測量学会 関西支部

テクニカルセミナー/第93回空間情報話題交換会の報告


2018年2月2日(金)、大阪府立大学 I-siteなんば においてテクニカルセミナー/第93回空間情報話題交換会を開催しました。


『JAXA地球観測衛星プログラムと地理空間情報分野での利用』

宇宙航空研究開発機構 田殿 武雄 氏

講演資料:
http://www.jsprs-w.org/meetings/data/w0093_tadono.pdf

人工衛星, リモートセンシング, 防災, 地球環境問題,陸域観測

 第93回テクニカルセミナー・空間情報話題交換会では,「JAXA地球観測衛星プログラムと地理空間情報分野での利用」と題して, 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の田殿武雄様に日本における人工衛星を用いた地球観測の現状について,JAXAでの観測事例を交えてご講演いただきました.

 国内の地球観測は,1987年に打ち上げられたもも1号(MOS-1)から始まり,近年ではだいち(ALOS), そして,だいち2号(ALOS-2)が運用され,現在はALOSの後継機である先進光学衛星(ALOS-3)と先進レーダ衛星(ALOS-4)の開発が進められているそうです. ALOS-3とALOS-4は2020年に打ち上げが予定されています.2020年は,日本の宇宙開発・地球観測において重要な節目の年になることが期待されます.

 また,衛星リモートセンシングによるデータ解析・利用例として,ハザードマップの作成や2015年の台風18号による豪雨災害での被災状況の把握など, 広い地域を,同じ条件で,何度でも観測できる,衛星リモートセンシングの特徴を活かした事例をご説明いただきました. 今後は,衛星データの無償公開をさらに充実させていくことやユーザーが求める情報を正確に提供するためにドローンなどの他の観測機器との連携を強化すること, 解析技術を用いて衛星データの新たな価値を見出すことが求められているそうです.

 そして,講演の最後には,ALOS-3とALOS-4の次の衛星をより良いものにしていくために, ユーザー側からの積極的な発言や議論への参加を呼びかけられていました.

 ご講演いただきました田殿様には,この場を借りてお礼申しあげます.


※測量系CPD協議会において認定された学習プログラムとして終了後に参加者へ受講書が配布されました。
※GIS上級技術者の認定を受ける際の貢献達成度ポイントとして申請できる参加証も配布されました。