日本写真測量学会 関西支部

テクニカルセミナー/第94回空間情報話題交換会の報告


2018年4月27日(金)、大阪府立大学 I-siteなんば においてテクニカルセミナー/第94回空間情報話題交換会を開催しました。


『モービルマッピングシステムによる河川堤防モニタリング』

株式会社パスコ 間野 耕司 氏

講演資料:
http://www.jsprs-w.org/meetings/data/w0094_mano.pdf

河川堤防,モニタリング,レーザ計測,MMS

 第94回テクニカルセミナー・空間情報話題交換会では,「モービルマッピングシステムによる河川堤防モニタリング」と題して, 株式会社パスコの間野耕司様にモービルマッピングシステム(MMS: Mobile Mapping System)を用いた河川堤防の現状把握の手法と その手法を基にした広域モニタリングについてご講演いただきました.

 MMSは,3次元レーザ計測機とデジタルカメラ,GNSS,高精度ジャイロによって, 周辺の地物の3次元座標データと連続写真を取得する移動計測車両測量システムのことで, 主に道路台帳や地形図の整備に用いられてきています. ご講演では,MMSを河川堤防の現状把握に応用することで, これまでの手法では難しかった連続的な堤防高さを0.1m以下の精度で把握できる手法をご紹介いただきました. この開発された手法は,これまでの人力による測量や目視確認などの手間の省力化を図ることができるとともに, 越水が発生する恐れが高い河川堤防区間の漏れない把握に寄与できるそうです.

 さらに,MMSから得た2時期の3次元点群を差分解析した結果などをデータベース化し, 人の視線に近い表現方法を採用することで,堤防点検に関わる専門的な知識が豊富でなくても, 河川堤防の状態を把握できる広域モニタリング手法を実際の事例を交えてご紹介いただきました.

 ご講演いただきました間野様には,この場を借りてお礼申しあげます.


※測量系CPD協議会において認定された学習プログラムとして終了後に参加者へ受講書が配布されました。
※GIS上級技術者の認定を受ける際の貢献達成度ポイントとして申請できる参加証も配布されました。