日本写真測量学会 関西支部

第99回テクニカルセミナー/空間情報話題交換会の報告


2019年4月19日(金)、大阪府立大学 I-siteなんば においてテクニカルセミナー/第99回空間情報話題交換会を開催しました。


『UAV空撮画像における3次元モデリング(SfM/MVS) ソフトウェアの形状特性比較』

阪南大学 北川 悦司 氏

講演資料:
http://www.jsprs-w.org/meetings/data/w0099_kitagawa.pdf

写真測量,SfM/MVS,UAV,Pix4D,PhotoScan

 第99回テクニカルセミナー・空間情報話題交換会では、「UAV空撮画像における3次元モデリング(SfM/MVS) ソフトウェアの形状特性比較」と題して、阪南大学の北川悦司氏にご講演いただきました。

 近年、測量や建設分野の施工管理で利用されるUAV (Unmanned Aerial Vehicle)の空撮画像を用いた3次元計測では、 SfM(Structure from Motion)とMVS(Multi-View Stereo)のソフトウェアであるPix4DとPhotoScanがよく用いられています。 北川氏は、ソフトウェアによって再現する形状の傾向が異なることを多くの既存研究で示されているものの、その傾向を具体的に示した報告が少なく、 精度を確保した3次元計測を行うためにソフトウェアの特性を明確にする必要があると考えられました。 こうした背景から、実験からソフトウェアの特性を導き出し,それぞれの違いについて比較する研究に取り組まれてきました。 今回は、その内容をご紹介いただきました。

 講演では、SfM処理とMVS処理の工程ごとに生成された3次元データの比較からソフトウェアの特性を示していただき、 更にSLAM(Simultaneous Localization and Mappin)と比較から、SfM/MVSの特長を説明していただきました。 SfM処理の比較では、地上測量などで取得した検証点との比較から計測誤差の傾向と、写真測量の精度に大きな影響を与えるレンズディストーション補正式の違いを述べられました。 MVS処理の比較では、トタン屋根、階段、及びコンクリート目地部の段差の計測成果を比較し、それぞれのソフトウェアの特性をわかりやすく示していただきました。 最後に、SfM/MVS とSLAMの比較から、リアルタイムな3次元データを生成できるSLAMの特長と、位置精度を確保した3次元データを生成しやすいSfM/MVSの特長を述べられて、 講演を締めくくられました。

 話題提供いただきました北川様には,この場を借りてお礼申しあげます。


※測量系CPD協議会において認定された学習プログラムとして終了後に参加者へ受講書が配布されました。
※GIS上級技術者の認定を受ける際の貢献達成度ポイントとして申請できる参加証も配布されました。