第115回テクニカルセミナー/空間情報話題交換会の報告
2022年10月21日(金)、大阪公立大学 I-siteなんば に於いて第115回テクニカルセミナー/空間情報話題交換会を開催しました。
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『環礁国での海岸地形変化研究における空間情報の活用事例』
摂南大学 理工学部 都市環境工学科 佐藤 大作 様
講演資料:こちら
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テクニカルセミナー/第115回空間情報話題交換会では、『環礁国での海岸地形変化研究における空間情報の活用事例』と題して、摂南大学の佐藤大作様にご講演いただきました。
本講演では、狭小で標高の低い環礁国での国土の維持保全を目的として海岸地形情報の取得を行った現地調査についての話題提供がありました。
初めに、現地調査が行われた環礁国ツバルについてご紹介頂きました。ツバルでは環礁州島と呼ばれる狭小で標高が非常に低い地形に人々が密集して暮らしており、土壌はなく淡水の確保も難しいこと、人口増加・経済活動というローカルな要因と地球温暖化というグローバルな要因の両方により州島侵食や海面上昇といった複合する危機が存在していることを示されました。このような現状から、現地で海岸地形や堆積物を調査測量して州島を維持保全する手法を検討するプロジェクトが行われてきたとのことでした。
続いて、これまでに行われた現地調査についてお話し頂き、スタジア測量による断面計測、後処理RTKによる地形計測およびハンディGPSによる砂浜域・礫域の輪郭計測を行った「海岸地形測量」、置き砂の動きをハンディGPSによりモニタリングして海岸部での砂の移動速度を計測した「砂の動きの測定」、ドローンで撮影した空中写真から砂や礫の堆積状況を把握するために畳み込みニューラルネットワークを用いた画像分類を試みた「海岸堆積物の分布情報の取得」といった調査内容を詳しく解説して頂きました。
最後に、海岸域の維持保全における定期的な地形計測データ蓄積の重要性や、今後の調査継続における機材の確保や保守メンテナンスでの課題などを示されて講演を終えられました。
講演後には、空中写真からの画像分類の詳細、ドローンの飛行条件、海面上昇への具体的な対策、調査に対する現地政府の対応などについての質疑応答が行われました。
ご講演いただきました佐藤様にはこの場を借りてお礼申しあげます。
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※測量系CPD協議会において認定された学習プログラムとして終了後に参加者へ受講書が配布されました。
※GIS上級技術者の認定を受ける際の貢献達成度ポイントとして申請できる参加証も配布されました。
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