日本写真測量学会 関西支部

第118回テクニカルセミナー/空間情報話題交換会の報告


2023年4月28日(金)、大阪公立大学 I-siteなんば に於いて第118回テクニカルセミナー/空間情報話題交換会を開催しました。


『地上撮影画像を用いた詳細3次元都市モデル作成』

摂南大学 理工学部 都市環境工学科 久保田 誠也 様

講演資料:こちら

 テクニカルセミナー/第118回空間情報話題交換会では、『地上撮影画像を用いた詳細3次元都市モデル作成』と題して、摂南大学の久保田誠也様にご講演いただきました。

 本講演では、久保田様のこれまでの研究と現在取り組まれている3次元都市モデル整備に関する研究についての話題提供がありました。
 講演の前半では、久保田様が大学及び民間企業で取り組まれた研究・開発についてお話しいただき、画像処理技術を用いた交通流解析に関する研究、プローブデータを用いたデジタル道路地図データの更新、MMSで取得された三次元点群データを用いた研究、物流倉庫向けの自律搬送型ロボットの開発について、データ解析アルゴリズム開発での試行錯誤などを解説していただきました。
 後半では、初めに3次元都市モデル活用のニーズや既に整備されている3次元都市モデルの紹介と共に、LOD3相当の詳細3次元都市モデルについては安価で簡便な作成・更新手法が確立されていないというお話しをされました。
 次に、このような課題の解決を目指して久保田様の研究室で取り組まれた研究について紹介していただき、簡易に撮影可能なアクションカメラやドライブレコーダーで撮影した画像を利用し、SfMソフトウェアと深層学習AIを組み合わせたデータ処理により3次元点群を作成し、精度検証を行った実験について詳しく解説していただきました。
 最後に、3次元都市モデル整備において市民から提供された動画像により作成した3次元点群を利用する場合の課題と、今後取り組みたい研究テーマを述べられ、社会的な関心の高い3次元都市モデルの分野で今後も研究に取り組みたいとの意気込みを語られました。
 講演後の質疑応答では、3次元点群作成での統計的手法についての課題、撮影カメラの位置精度、点群の精度検証に使用した地上基準点の位置精度などについて意見が交わされました。

 ご講演いただきました久保田様にはこの場を借りてお礼申しあげます。


※測量系CPD協議会において認定された学習プログラムとして終了後に参加者へ受講書が配布されました。
※GIS上級技術者の認定を受ける際の貢献達成度ポイントとして申請できる参加証も配布されました。