日本写真測量学会 関西支部

第123回テクニカルセミナー/空間情報話題交換会の報告


2024年2月9日(金)、大阪公立大学 I-siteなんば に於いて第123回テクニカルセミナー/空間情報話題交換会を開催しました。


『空間情報技術の活用:事前通行規制制度とアンダーパスの地震時被害を題材に』

京都大学 宮ア 祐輔 様

講演資料:こちら

 テクニカルセミナー/第123回空間情報話題交換会では、『空間情報技術の活用:事前通行規制とアンダーパスの地震時被害を題材に』と題して、京都大学大学院工学研究科の宮ア祐輔様にご講演いただきました。

 本講演では、まず、先生が最近興味を持たれた技術についてのお話がありました。特に電気自動車中心の社会の到来とともに、土木分野に期待される技術とは何かについての問題提起があり、小断面のトンネルの変位を計測する方法についての研究・事例紹介がありました。
 続く1つ目の講演のトピックとして、アンダーパスを構成するボックスカルバートの地震被害の状況について紹介いただきました。液状化によってカルバートの目開きが生じる点に着目し、カルバートと盛土地盤の相互作用を念頭に、シミュレーションと実験の両面から研究されている内容について解説いただきました。
 2つ目のトピックとして、降雨による斜面崩壊をどのように予防するかという点に関連して、水に起因する斜面崩壊の研究事例について紹介いただきました。デプスカメラや土壌水分計などの複数の計測機器を用いた実験事例を解説いただくとともに、土壌中の水の流れを可視化する研究や、パイパースペクトルカメラを用いた含水状態の把握に関する研究について紹介いただきました。
 講演後の質疑応答では、水が逃げにくい構造物についての対策や、大きな遠心加速度が作用させる地盤模型実験下での計測結果の精度などについて、活発に意見が交わされました。

 ご講演いただきました宮ア様にはこの場を借りてお礼申し上げます。


※測量系CPD協議会において認定された学習プログラムとして終了後に参加者へ受講書が配布されました。
※GIS上級技術者の認定を受ける際の貢献達成度ポイントとして申請できる参加証も配布されました。