日本写真測量学会 関西支部

第126回テクニカルセミナー/空間情報話題交換会の報告


2024年10月25日(金)、大阪公立大学 I-siteなんば に於いて第126回テクニカルセミナー/空間情報話題交換会を開催しました。


『Project PLATEAUにおける地理情報標準の役割』

アジア航測株式会社 黒川 史子 様

講演資料:講演終了1年後に掲載予定

 テクニカルセミナー/第126回空間情報話題交換会では、『Project PLATEAUにおける地理情報標準の役割』と題して、アジア航測株式会社の黒川史子様にご講演いただきました。

 地理空間情報に関する国際標準化団体であるISO/TC211が1994年に設置されてから30年が経過しましたが、本講演では、標準化に長年携わってこられた黒川様によって、日本国内での地理情報標準の策定や推進についての話題提供がございました。
 講演の前半では、「標準化」の基本概念や「標準」との違いについて触れつつ、「JPGIS」の策定など、日本における地理空間情報に関する標準化の取り組みが紹介されました。参加型のワークも行われ、標準化がデータの再利用性を向上させる重要な役割を果たしているなど標準化の意義への理解が深まる内容となっておりました。
 後半では、都市計画分野での具体的な事例として、国土交通省が主導するProject PLATEAUが取り上げられました。同プロジェクトでは、地理情報標準に準拠した3D都市モデル標準製品仕様書の策定が行われ、これを基に全国規模でのデータ整備や活用が展開されているとご説明いただきました。地理情報標準に準拠したデータ提供を行ったことが、GIS以外の分野での3D都市モデルの利用拡大につながったというお話もあり、標準化の重要性を再認識する機会となりました。
 さらに、ISO/TC211やOGC(Open Geospatial Consortium)の近年の動向についても、CityGML3.0への改定による変更点など、具体的な説明も交えて解説していただきました。
 講演後の質疑応答では、3D都市モデルと地形データとの関係性や、測量分野と建設分野での仕様の違いなどについて活発な意見交換が行われました。

 ご講演いただきました黒川様には、この場を借りてお礼申し上げます。


※測量系CPD協議会において認定された学習プログラムとして終了後に参加者へ受講書が配布されました。
※GIS上級技術者の認定を受ける際の貢献達成度ポイントとして申請できる参加証も配布されました。