日本写真測量学会 関西支部

第128回テクニカルセミナー/空間情報話題交換会の報告


2025年2月7日(金)、大阪公立大学 I-siteなんば に於いて第128回テクニカルセミナー/空間情報話題交換会を開催しました。


『国土地理院の空中写真を用いた現在・過去の街並みの3Dモデル構築と活用』

京都産業大学 文化学部 京都文化学科 桐村 喬 様

講演資料:講演終了1年後に掲載予定

 テクニカルセミナー/第128回空間情報話題交換会では、『国土地理院の空中写真を用いた現在・過去の街並みの3Dモデル構築と活用』と題して、京都産業大学の桐村喬様にご講演いただきました。

 本講演では、SfM/MVS技術の普及によって容易となった3Dモデル構築の手法や3Dモデルを活用した街並みの可視化について紹介がありました。桐村様は、国土地理院が公開する空中写真を用いて、現在の街並みだけでなく、過去の景観も含めた3Dモデルの構築を行っており、本講演ではその取り組みの概要や、複数時点での京都の街並みを可視化した事例、能登半島地震に関連した活用事例などが紹介されました。
 特に、3Dデータへの社会的関心が高まる中、過去の空中写真を用いた失われた景観の再現や、建物の高さ情報を基にした都市地理学的分析の可能性について、具体的なデータや画像を交えながらわかりやすく解説していただきました。講演の後半では、今後の展望として、一般の方にも関心を持っていただけるような「今昔マップ」の3D版の構想や、空中写真から得られた建物高さ情報を活用した都市の広域的な分析についてもお話しいただきました。
 講演後の質疑応答では、過去の空中写真から3Dモデルを作成する取り組みに対する意見や自治体で保管されている空中写真の活用可能性に関する質問などが寄せられ、参加者の関心の高さがうかがえました。

 ご講演いただきました桐村様には、この場を借りてお礼申し上げます。


※測量系CPD協議会において認定された学習プログラムとして終了後に参加者へ受講書が配布されました。
※GIS上級技術者の認定を受ける際の貢献達成度ポイントとして申請できる参加証も配布されました。